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生誕80年!ボブ・ディランへの偏愛を販促物で振り返る!

風に吹かれて、転がる石のように約半世紀・・・ロックの時代を作り、そして変革し、様々な人々の人生に影響を与え続け、自ら進化し続ける《ロック界最重要アーティスト》ボブ・ディラン

5/24に80歳の誕生日を迎えたボブ・ディランですが、今回のnoteではソニー・ミュージックに奉公して約40年、現ボブ・ディラン担当の通称“栗爺”がこれまで製作された販促物を振り返り、ディランへの愛を語ります。

ディラン偏愛っぷりをたっぷり感じつつお楽しみください。

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ボブ・ディラン

「ブツ(販促物)にこんがらがって・・・」

音楽好きが高じてレコード会社に入社した私、いつしか販促物の魅力に取り憑かれ収集する事態に。

販促物とは、レコードやCDなどの販売を促進するため攻略相手に配布する主に小物。レコード会社はプッシュする曲やアーティストのヒットを狙って、テレビやラジオそして有線やディスコでかけてもらうため、新聞や雑誌で紹介してもらうため、レコード店員さんに売ってもらうために、販促用グッズを作るんです。販促物は、インパクトが命!せっかく作成しても曲名はおろかアーティストの名前さえも覚えてもらえなければ…涙、ピカピカの新人は特に大変です。

今回は有名なボブ・ディランなので、インパクト重視というよりアルバム・タイトルやキャンペーンなどを打ち出した販促物の数々が中心。私が約40年に渡って大切に保存してきたブツの一部を、ここにお披露目です。

■ブツ1.

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1993年に、<若い世代にディランのカッコ良さを知ってもらおう>という狙いで実施した「DylanがRock」キャンペーン時に製作したマグカップ。全面協力して頂いたみうらじゅん氏のイラストをあしらい、底面に「プヒ~」をプリント。当時、みうらさんのお子さんがこのマグカップで牛乳を飲み干す度に「プヒ~」と言っているという話をみうらさんから聞いた事があります。そのお子さんも既に30歳前後と想像すると感慨深いのですが、今も飲み干す度に「プヒ~」と言ってたら・・・素敵過ぎます。

■ブツ2.

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1997年の傑作『タイム・アウト・オブ・マインド』のプロモーション用にアメリカが製作した懐中時計。この販促物を考えたスタッフがタイトルを覚えてもらうには「これだ!」と閃いたのでしょう。文字盤にアーティストとタイトル名がプリントされ手巻きのリューズが付いた中国製で、実際に動くかどうかは使えずにいるので解りません。そういえば…その後、2001年発表『ラヴ・アンド・セフト』時もタイトル名に関係なく懐中時計を再び作っていました。販促物のアイディアが枯渇したか、単に担当者が懐中時計好きだったのか、不明であります。

■ブツ3.

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百円玉サイズの缶バッチは1980年作『セイヴド』の購入者特典だったのでしょう。ハッキリとは覚えていません。宗教色の濃いアルバムを立て続けに発表し、“ゴスペル三部作”と称された中の1枚が『セイヴド』。アルバム・ジャケットがイラストだっただけに、海外でのシングル・ジャケットだったアーティスト写真を使ったものにしたのでしょう。とりあえず急ぎ作った感が伝わってくるブツで、『セイヴド』で何故缶バッチなのか・・・は、安くて早く作れるから!という理由しか思い浮かびません。

■ブツ4.

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2016年、ボブ・ディランはノーベル文学賞を受賞しメモリアルな年になりました。毎年発表間近になってくると受賞候補者にあげられるので、資料やビデオ、写真などの宣伝素材を10年以上に渡って事前準備しスタンバっていました。“今年も無いかなと・・・”とやや諦めかけていた10月13日発表当日の夜8時頃、受賞のニュース速報テロップがTVで流れると同時に携帯と会社の電話は鳴り続け、メールもパンパンに膨れ上がり、嬉しい悲鳴を上げたものです。12月10日が授賞式だったので、日本時間で11日にタワーレコード店頭でお祝いイベントを開催。イベントで行った鏡開きで配布した焼印の入った升です。

■ブツ5.

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厳密には販促物と言えませんが、1985年作『エンパイア・バーレスク』のプロモーションで作られたオンエア用の白盤。当時は商品となるLPのプレス用のマスターテープが海外から到着すると、レコード会社はまずカセットテープにダビングして関係者に配布しました。解説執筆や歌詞対訳、そして音楽専門誌等でのレビューで紹介してもらうための資料として活用するためです。

80年代半ばからはビデオ・クリップ(MV)が登場し、MTVが存在感を増してきた時期ながら、FMラジオ局での楽曲のオンエアは欠かせませんでした。サンプルが出来上がる前に急ぎ作られたこのような白盤を使ってエアプレイを稼いだわけです。

■ブツ6.

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おそらく『30〜トリビュート・コンサート』が発売された1993年頃、大阪にいた強力なディラン・ファンのスタッフがディラン愛にまかせて作ったジージャン。Levi’s製に朱の刺繍で文字が入れられ、背中のロゴは30周年記念ライヴのパンフに使われていたものと同様で、何とも美麗な出来に。

実はこの逸品、そのスタッフが独断で作ったため(!)担当者としては「聞いてないよ!」と言うべきところだったのですが、サプライズ贈呈された途端に言うべき事を忘れてしまいました…。

■ブツ7.

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2007年の「次世代へディランを繋げていこう」という全世界的なキャンペーン<DYLAN ICON>では、ボブ・ディランの全軌跡を統括するベスト盤や3枚組BOXセットを大々的に展開しました。その時に多種の販促物が海外で作られ、これはその中の一品。キャンペーン統一ロゴが刻まれプリントされたホーナー社製ハーモニカで、キーはCになります(写真左)。そして、隣(写真右)のハーモニカはUDO音楽事務所の高橋さん所有のディランからもらい受けたという驚きの逸品。一度手に取って拝見しましたが微かに残っている吹いた跡はディランのものでしょうか・・・胸が高鳴りました。

来日公演時に必ずディランをアテンドするUDO音楽事務所の高橋さんの貴重なディラン話は You Tubeチャンネル<みのミュージック> で楽しめますのでぜひご覧ください!

▼みのミュージック:ボブ・ディランを語り尽くす!浦沢直樹×高橋辰雄

■ブツ8.

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2006年作『モダン・タイムズ』のプロモ用にアメリカが作ったTシャツ。好きなアーティストでもデザインによっては着用をためらう事もあったりするものです。幸いにもこのTシャツはスッキリとレーベル面を活かしたもので洒落た出来上がり。背中には『モダン・タイムズ』収録の「ワーキングマンズ・ブルース#2」からの一節、

You can fall back or fight your best on the front lines… 後退も出来るし前線で全力で戦うことも出来る

とプリントされているため、“どうせえっちゅうねん!”と突っ込みを入れたくなるような大人な一着。

■ブツ9

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時の移ろいが販促物にも及んだとシミジミ感じたブツで、遂にディランのUSBが登場しました。すでに紹介した【ブツ7】と同様のキャンペーン時に海外が製作し、統一ロゴが目立つようにプリントされています。

これを手にした頃は“今時の洒落た販促物”と受け止め大分活用しましたが、今となっては256MBの容量ではちと寂しい感じになってしまいました…。何故USBにしたのか不可解でしたが、アイコン・キャンペーン時の販促物は10種以上に渡り、多種多様なブツが揃っています。

■ブツ10.

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『ブートレッグ・シリーズ』は、1991年の発売から今年でめでたく30周年を迎えるボブ・ディランの長期シリーズ。このシリーズのために販促物を作ることは無いだろうと思っていましたが、海外が作ったのがコレ。2014年の第11集『ベースメント・テープス』用のブツで、なんとその中から10曲収録されたオープン・リールです。11集の企画内容を考えると問答無用、唯一無二、直球の販促物で、入手し喜んだもののオープン・リールを再生する機器が無く未だに聞けずにいます。

現在ボブ・ディランの生誕80年を祝して『ブートレッグ・シリーズ』のラインナップが勢揃いするキャンペーンが開催中です。【傘寿ステッカー】がプレゼントのキャンペーンの詳細は下記よりご確認ください。


1976年、『欲望』から、日本独自にシングル・カットした「コーヒーもう一杯」。この時、放送局の方々に曲をオンエアしてもらおうと、タイトルにちなみディランの似顔絵とタイトル「ONE MORE CUP OF COFFEE」をプリントしたマグカップでコーヒーを振る舞ったそうです。このブツ、私の入社前だったので残念ながらコレクションには無いのですが、先人たちがヒットに向け奮闘していた姿が鮮やかに甦ります。


たかが販促物、されど販促物。ブツを配る事でアーティストを認知してもらい、曲名を覚えてもらう・・・そうして歌は残ってゆく。

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栗爺のボブ・ディランへの偏愛っぷりいかがでしたでしょうか?キャリアの長いディランだけに、貴重な年代ものの販促物も数多く、関わった沢山のスタッフの想いも伝わってきますね。この“アーティストへの偏愛”が、素晴らしい作品やアーティストをもっと沢山の方に知ってもらいたいという原動力になっているといってもいいのかもしれません。

ところで、先日の80歳のボブ・ディランの誕生日には、ボブ・ディランを愛する国内アーティストの皆さま、各界著名人の皆さまから沢山のお祝いメッセージをいただきました!いただいた一字一句からは、ディランへの溢れる想いが伝わってきます。ぜひご覧いただけると嬉しいです。

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みうらじゅんさんが描き下ろした日本的な聖なるものに囲まれたボブ・ディランの絵は、実は42枚から成る大作の一部だそうです。

▼ボブ・ディラン 数々の名曲を改めて・・・♪


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