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スー・ルイチーが『ガルプラ』で見せた存在感。成都の女の子から"世界のアーティスト"への飛翔


スー・ルイチー


中国四川省出身、日中韓ガールズグループオーディション番組『Girls Planet999:少女祭典』(通称:ガルプラ)内でカリスマ的魅力を発揮して視聴者の注目を集めたスー・ルイチー。4月6日(水)にリリースされた完全生産限定シングルCD『《燎》フェニックス・ジャパン・スペシャル・エディション』と、配信シングル「The Phoenix(Japanese Version)」=「《燎》フェニックス(ジャパニーズ・バージョン)」で初の日本語歌唱にチャレンジし、待望の日本デビューを果たしました!
スー・ルイチーとはどんな魅力が詰まったアーティストなのか?
中国のオーディション番組や『ガルプラ』時からスー・ルイチーを追ってきたライター菅原史稀さんに、その魅力や推しポイントを語って頂きました!

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昨年、韓国のオーディション番組『Girls Planet 999 : 少女祭典』(以下『ガルプラ』)が話題となった。

韓国だけでなく日本そして中国といった三つの言語文化圏から集う99人の参加者が、K-POPアイドルとしてのデビューを目指して協働する――こうした新鮮な試みに興味を惹かれ、テーマソングのパフォーマンス動画をチェックしていた。

そんななか、一人の参加者が放つ強烈な存在感に目を奪われたことを今でもよく覚えている。

思わず友人に「凄い子がいるね」と連絡したところ、「今まで色々なオーディション番組を見てきたけど、こんなことをする参加者は初めて」と返信があった。

『ガルプラ』テーマソングである「O.O.O (Over&Over&Over) 」中には、サビ直前に「바로 나야!(まさに私よ)」という決め台詞がある。同楽曲内では極めて重要なポイントでありながら、時間にするとたった1秒足らずの短いパート。そこでトランプのカードを放り投げるユニークなパフォーマンスにより、一瞬にして鮮烈な印象を残したその人こそ、“まさに”スー・ルイチー(苏芮琪)だった。

オーディション序盤には、各参加者が他参加者と講師陣を前に初めてステージをお披露目する様子が放送されたのだが、多くが複数人のグループで歌い踊る中、ルイチーはたった一人でステージへと登場し「Snapping」(チョンハ)を披露。

そこで彼女は、高・低音を幅広く行き来するキーと複雑なテンポ、静と動が入り乱れた振付という非常に高難度の楽曲をやりこなすスキルのみならず、舞台を掌握するに足るスター性、そして目線でオーディエンスと交流する余裕までみせていた

特に日韓では『ガルプラ』出演をきっかけに広く知られるようになったルイチー。しかし、同番組開始当初から明らかに“只者でなさ”を漂わせていた彼女は、それ以前にも中国で数々のキャリアを積み活躍をみせてきた。

2017年にはガールズグループ・ETM OrangEの初代リーダーに抜擢され、その後の活躍を期待されたもののリリースがほとんどないままグループが終了。続いて結成されたETM氧氣少女計畫もほどなくして解散している。

2018年には、自身初のオーディション番組となる『創造101』に参加。初回順位の78位から最終25位と大幅に獲得投票数を伸ばしたものの脱落に終わった。

その後加入したガールズグループChic Chiliでは、またもリーダーを担当。同グループの楽曲ではバブルガムポップの曲調に合わせた、爽やかでキュートな彼女の歌声を聴くことができる。

そして2019年にはソロ曲「在成都」をリリース。彼女自身が作詞・作曲を手がけた同曲は、タイトル通り自身の出身地である四川省・成都について歌うHIPHOPナンバーだ。

同曲は、翌年に放送された『創造営2020』でも披露。同番組内でルイチーはこのように語っている。「スー・ルイチーは間違いなく、成都だけでなく、もっともっと遠くまで行く。全世界へ行きます」

彼女はその言葉通り、164か国で配信されたグローバル・オーディション番組『ガルプラ』に参加し、ステージを重ねるごとに世界中の視聴者の心を捉えていくこととなった。

「전야 (The Eve)」(EXO)パフォーマンスでは、センターポジションでチームをけん引。ボーイズグループの楽曲を、冷艶な魅力と挑発的な表情で見事に昇華させた。

このステージは“クールビューティー”な彼女のイメージを多くの視聴者に与えたが、先述した通りガールズグループChic Chiliの一員としてキュートな側面もみせていた過去もあることを思えば、そのふり幅に息をのむ。

続く「인연(因縁)」 (イ・ソニ)パフォーマンスでは、エレガントでオーセンティックなステージングを披露。壮大な物語性をもつ同楽曲に合わせて作られた振付は、オーディション番組とは思えないほどに高難度なものだったが、その真に迫る表情演技によって会場の涙を誘った。

そして番組オリジナル曲「뱀 (Snake) 」では、『ガルプラ』において表れていたルイチーの魅力が総ざらい的に発揮された。「Snapping」でみられた舞台掌握力、「전야 (The Eve)」で発露したカリスマ性、「인연(因縁)」であらわになった表現力。そのすべてが総合し、彼女のオリジナリティへと結実していった一幕だった。

 最終順位としては13位に終わり、惜しくもデビュー圏内入りは逃す結果となったルイチー。

しかし、同番組視聴者に「スー・ルイチーのステージで代表的なものを挙げるとするならば?」と聞けば、恐らくバラバラの答えが返ってくるのではないだろうか。そう思うまでに、彼女の参加曲はそれぞれが人々の記憶に残るレジェンド・ステージとなったように感じてならない。

「スー・ルイチーは間違いなく、成都だけでなく、もっともっと遠くまで行く。全世界へ行きます」

約二年前そう語っていた彼女は、今やここ日本でも多くの人々に愛されている。

そのアツい応援を受け、ソロ曲「《燎》(The Phoenix)」の日本語歌唱楽曲がリリースされた。

竹笛や琵琶・二胡など中国の伝統的な楽器が用いられ、持ち味である透き通った美しい高音とラップスキルが発揮される同曲は、Phoenix=不死鳥のモチーフからも表されるとおり「帰還」と「再生」がテーマとなっている。同時に「《燎》フェニックス・ジャパン・スペシャル・エディション」では、彼女が手がけた歌詞の日本語版も収録された。

彼女の日本活動を盛り上げるため、SNS上では早くも広告掲載に向けたクラウドファンディングの呼びかけも活発に行われている。

クールビューティ、セクシー、キュート、エレガント、カリスマティック……挙げればきりがないほど多様な側面を持ちながら、あらゆるジャンルのダンスをこなし、ボーカル・ラップのスキルも抜群、そして作詞・作曲までこなしてしまうスー・ルイチー。

驚くべき多彩な才能をもつ一方で、その名を聞けば鮮明に思い浮かぶ確固たるアイデンティティ――底知れぬ魅力をもつアーティストである彼女は、今後どのような姿で世界へ羽ばたいていくのだろう。

最後に、彼女自身の決意表明とも受け取れる歌詞が綴られた「《燎》(The Phoenix)」の日本語詞を紹介して、本稿を締めくくりたい。

<風に乗って伝説へ 今告げるわ 夜明けが来たこと>

菅原史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーシーンの分析を主な分野とする。
Twitter:https://twitter.com/podima_hattaya3

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